お役立ち情報

「契約を急ぐ業者には気を付けて」住宅会社が教える業者選びのコツ

2030年度までに累計33万kW以上の市域の再生可能エネルギー導入量を目指す川崎市では現在、太陽光発電の普及啓発に力を入れています。太陽光発電のメリットや、信頼できる業者の見抜き方について、川崎市多摩区を拠点とする住宅会社の株式会社タマックの貞松信人代表取締役会長に話を伺いました。

太陽光はクリーンでエコなエネルギー

 発電時に温室効果ガスが発生せず、クリーンなエネルギーとして注目を集める太陽光。CO2排出量の削減効果だけでなく、災害時でも太陽光があれば発電できることや、電気代の削減効果があることから、導入を検討する人が増えています。

 特に電気代削減の効果は、昨今の電気代の高騰の影響で得られるメリットが大きくなっています。例えば、同じ家庭・同じ電力消費量で比較した時に、1カ月あたりの電気代が13,000円程度の家庭が、太陽光4kWを設置すると実質約4,500円となり、約3分の1となると試算されています。

トレンドは「太陽光発電と蓄電池を設置したZEH住宅」

「ベストな家は、住む人が安心できて、快適に過ごせる家です。最近は、こちらから太陽光発電について説明する機会が増えてきましたし、ZEH(ゼッチ)住宅について、相談を受けることも増えてきました」と話すのは、貞松代表です。

 ZEH住宅とは、壁や床などに断熱材を利用して省エネルギー化を図ると共に太陽光発電でエネルギーを創ることで、住宅で消費されるエネルギーが実質ゼロとなる住宅を指し、長く関心を集めています。

 近年、トレンドとなっているのは、その経済的メリットの大きさです。高性能な断熱材を取り入れているということは、夏の熱い日差しによる室内の温度上昇を防いだり、冬は高い気密性で温かい空気を室内から逃しにくくしたりするなどの工夫が施されているということ。つまり、少しのエネルギーで部屋を快適に保つことができ、ひいては電気代が安く済むという利点があります。

 貞松代表は、「太陽光発電で創った電気は、それ単体では日中しか使うことができませんが、蓄電池があれば日中に創った電気を貯めておいて、夜間や災害時に使うことができます。こうした安心を求める声もあるので、ZEH住宅と太陽光発電、蓄電池の相談が増えているんですね」と分析しています。

「今日中に契約でお安くします」は罠 先輩の声も聞いてみて

 一方で、数多くの住宅会社や太陽光発電設備会社の中から、ぴったりの業者を見つけるためにはどうすればよいのでしょうか。貞松代表は、「住宅業界はハンコを押したら最後です。『今日中の契約でお安くしますよ』と契約を急かすようでしたら、注意してください」と警鐘を鳴らします。

 これは家づくりの話でもありますが、と前置きした上で貞松代表は、「施工業者とお客様の関係性がしっかりと構築されている会社でしたら、建築現場や施工事例の見学をさせてくれる業者もいます。ネットで調べるだけでなく、実際に太陽光発電を設置した先輩の声を聞いてみて、業者選びの参考にしてほしいです」と話します。

 このほか、信頼できる業者を見抜くポイントを教えてもらいました。
▽複数の業者から見積をもらう
▽一方的な説明ではなくきちんと要望や条件を聞こうとしているか
▽メリットだけでなくデメリットも説明してくれているか
▽制度や補助金などの最新情報を理解しており分かりやすく説明してくれるか

ズバリ、太陽光発電は導入すべき

 話を総括して、貞松代表に太陽光発電を導入すべきか聞いてみました。貞松代表は、「太陽光発電設備の導入は、通常の家づくりに必要な土地代や建物代といった費用に加えて、新たな費用がかかります。この費用の面をクリアできれば、経済的メリットもある上に、快適な生活をしたいと願うならば、太陽光発電と蓄電池、ZEH住宅を導入すべきでしょう」と断言していました。


◆教えてくれた人
株式会社タマック 代表取締役会長 貞松 信人さん

株式会社タマック
・・・川崎市多摩区に本社とショールームを構える。床や天井、窓などの断熱性能を向上させたゼロエネルギー注文住宅「Vita-Z」を販売しており、低CO2川崎ブランド'22大賞を受賞。「生涯一拠点体制」を宣言し、「家づくりは幸せづくり」をモットーに、施主にとって最適な家づくりを提案している。